大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和41(あ)1986 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岡崎耕三の上告趣意について。

刑事裁判において、当該起訴事実以外のいわゆる余罪を犯罪事実として認定し、

実質上これをも処罰する趣旨で重く量刑することは許されないが、他面刑事裁判に

おける量刑は、被告人の性格、経歴、境遇、犯罪後の状況等一切の事情を考慮して

裁判所が法定刑の範囲内で適当に決定すべきものであるから、その量刑のための一

情状としていわゆる余罪を考慮することは必ずしも禁ぜられるものではない。この

ことは、当裁判所判例の趣旨とするところである(昭和四〇年(あ)第八七八号同

四一年七月一三大法廷判決参照)。

本件についてこれを見るに、原判決に「被告人は原判決後の前後三回に亘る常習

暴力事犯につき、昭和四一年五月三〇日、岡山地方裁判所に起訴されて、現在その

審理中であり、右のような原判決後の事情をも併せて考属するとき、云々」と判示

していることは、所論のとおりである。しかし、右判示は、被告人が右余罪につき

起訴され審理中であることを本件に対する量刑の一情状として考慮しただけであつ

て、余罪を犯罪事実として認定し、これを処罰する趣旨で重く量刑したものでない

ことは、原判文に徴し明らかである。従つて、所論違憲の主張は前提を欠き採用す

ることができない。

また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和四一年一二月二三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

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裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

裁判官 色 川 幸 太 郎

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